新宿東口ハートクリニックブログ

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日記

2019/03/28 不眠症 その1

睡眠不足になると、イライラしたり、疲れがとれなかったり、体に次々と不調があらわれます。人は、寝ている間に体や脳の疲れを休息させ、修復再生させているので、健康な体を維持するためには、眠る必要があります。日本人の5人に1人は、不眠で悩んでいるという報告があります。寝ている間に成長ホルモン、プロラクチン、副腎皮質ホルモン、性腺刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモンなどの分泌が高まることが分かっています。

成長ホルモン

眠り始めてから、3時間くらいの間に訪れる深い眠りのノンレム睡眠中に最も多く分泌されます。成長ホルモンは、子供の場合は主に発育を促し、大人の場合は、傷を負った細胞の修復にかかせません。全身に働いて、脳の下垂体から分泌されます。体がだるい、疲れている、疲れがとれないなど寝不足や熟睡出来ない場合は、成長ホルモンの分泌機能が妨げられている事が考えられます。熟睡できていても、就寝前に食事をするとホルモン分泌は、悪くなります。

ぐっすりと深く眠るポイント➡寝る4時間前までには夕食を終わらせましょう。

メラトニン

睡眠を促進するメラトニンは、脳の松果体から分泌されます。生体のリズムを調整します。メラトニンは、太陽の光が朝、目に入って15時間前後たたないと分泌されないという性質があります。夕方以降暗くなると分泌量が増えて夜になるとさらに増え、午前2時頃にピークに達します。脈拍、体温、血圧を低下させることによって、睡眠と覚醒のリズムを上手く調整し、自然な眠りを誘う作用があります。

このメラトニンの作用を利用した生体がもつ機能を取り戻させる薬があります。ラメルテオン(ロゼレム)という日本で開発された全く新しい作用機序の不眠症治療薬です。ちょっと専門的な話になりますが、脳内には、メラトニン受容体が2種類あって、メラトニン受容体MT1にメラトニンが作用すると体温を下げ、睡眠の準備をはじめます。メラトニン受容体MT2に作用すると体内時計を補正して、生物リズムにリセットをかけるといわれています。ロゼレムは、この2つの受容体の作用を活性化して、睡眠を促すと考えられています。体内リズムを整える薬なので、副作用も少なく、初めて不眠症にかかって服用するのに良いお薬だと思います。

薬を使わないで寝るコツ➡朝はしっかり太陽の光を浴びて、夜は、就寝前には、スマホやテレビ、パソコンの光は、浴びずに部屋を暗くして、寝ましょう。