2019/03/09 アルコール依存症について
アルコール依存症は、精神と肉体の病気です。
アルコールは、依存性をもつ薬物です。習慣的に使用していれば、誰にでもアルコール依存症になる危険があります。年齢や性別に関係なく、意志の強さや性格の問題でもありません。アルコールへの精神的・肉体的依存が形成され、飲酒に対するコントロールを失ってしまい、どうしても飲まずにはいられなくなります。
症状
体内のアルコール量が減ると、手のふるえ、悪寒、寝汗、イライラ、不安、焦燥感、睡眠障害などの離脱症状がみられます。こうした症状は、アルコールを飲むと一時的に治まります。そのためにまた飲むという繰り返しが起こります。人によっては、吐き気や下痢、胃痛、動悸、高血圧といった症状もみられます。さらに進むとうつ状態におちいり、幻聴、幻覚、記憶障害を起こし、仕事や家庭生活にも大きな支障を及ぼすようになります。
原因
アルコールは、麻酔作用によって、脳をマヒさせ酔った状態を作ります。アルコールを飲むと、脳の働きが変化し、緊張が緩んだり、いい気持ちになったり、気が大きくなったりします。酔いの状態は、普通は、数時間程度で治まりますが、毎日飲酒を続けると、酔いの状態が通常だと脳が判断して、体内のアルコールが減ってくるとさまざまな不快な症状がでてきます。
対策
アルコール依存症は、自己流で節酒をしても改善はむずかしいので、きちんとした断酒の治療が必要になります。本人は、断酒をしたくないので、なかなか医療機関を受診したがりません。最近、お酒の量が増えてきたり、飲酒中にトラブルを起こしたり、何か変化に気づいたら、すぐに精神科を受診するようにして下さい。本人はもちろんですが、家族などまわりの人が変化に気づくのも重要になってきます。少しでも気になることがあれば、遠慮なく当院を受診して下さい。